さて、今回も過去問を参考に5問ご用意致しました。

各問題の解説と、巻末の関連投稿も是非ご参照くださいね。

今回も電卓が無くても出来るような数字で作問していますので、場所を問わず、スキマ時間にスマホで勉強していただけると思います。

 

それでは始めましょう!

 

問題

下記の決算整理事項等について仕訳して下さい。

勘定科目は、次の勘定科目を参考にして下さい。

 

現金 小口現金 現金過不足 当座預金 普通預金 受取手形 売掛金 前払金 貸付金 手形貸付金 未収入金 仮払金 未収利息 未収手数料 前払費用 繰越商品 建物 備品 土地  他店商品券

支払手形 買掛金 未払金 前受収益 前受金 仮受金 商品券 所得税預り金 借入金 手形借入金 貸倒引当金 建物減価償却累計額 車両減価償却累計額 備品減価償却累計額 

資本金

売上 受取利息 受取手数料 固定資産売却益 雑益

仕入 給料 広告宣伝費 旅費交通費 水道光熱費 保険料 通信費 消耗品費 発送費 租税公課 貸倒損失 修繕費 支払利息 支払手数料 貸倒引当金繰入 減価償却費 雑損 固定資産売却損 

損益

 

取引1

従業員が出張から戻り、旅費の残額¥10,000と得意先で契約した商品販売にかかる手付金¥10,000を現金で受け取った。なお、出張にあたって、従業員には旅費の概算額¥50,000を渡していた。

 

答えはこちら

仕訳

現金

旅費交通費

20,000

40,000

仮払金

前受金

50,000

10,000

解説

この問題はちょっとトリッキーですね。

ここには二つの取引があります。

 

(1)まず一つ目は概算払いしていた旅費の精算です。

前渡しした段階では

仮払金 50,000 現金 50,000

という仕訳が切られていたはずですので、この仮払金を全額右側(貸方)に計上します。また、残額を現金で¥10,000受け取ったということは実際の旅費交通費は¥40,000だったわけですから、次のような仕訳になります。

現金             10,000 仮払金 50,000

旅費交通費 40,000 

 

(2)もう一つは手付金=前受金の受け取りです。

手付金や内金は「前受金」勘定で処理するのでしたよね?

現金 10,000 前受金 10,000

 

これら二つの仕訳をミックスしたものが解答の仕訳になります。

 

なお、仮払金と前受金に関する関連投稿を末尾に掲載しておきましたのでぜひ復習してくださいね。

 

 

取引2

損益勘定に記録された当期の収益総額は¥5,000,000、費用総額は¥4,000,000となった。この差額を純資産の勘定へ振り替える。

答えはこちら

仕訳

損益 1,000,000 資本金

1,000,000

 

解説

損益勘定(損益計算書)で収益が費用を上回っているということは、同額が貸借対照表でも資産が負債+資本を上回っています。これらの両方に同額を埋めてあげることによって 、損益勘定(損益計算書)も貸借対照表も貸借(右と左)の額が一致します。

複式簿記では貸借(右と左)で同金額を増加させていますよね。

その構造の下では試算表上は常に左右一致していますが、試算表を貸借対照表科目と損益計算書科目に分けた場合にはそれぞれ同額の差が発生します。

ただし、損益計算書の差額が左側に出たら貸借対照表上の差額は右側に出るという関係が存在します。(逆は逆)

そこで、損益計算書科目を集めた損益勘定の差額には「資本金」勘定で埋め合わせ、貸借対照表上の資本金勘定に「損益」勘定からの金額を加算する事で貸借対照表上の差額も埋め合わされます。

 

 

取引3

顧客に商品¥300,000を売り渡し、代金のうち¥200,000は他店発行の全国百貨店共通商品券で受け取り、残額は現金で受け取った。

答えはこちら

仕訳

 

他店商品券

現金

200,000

100,000

売上

 

300,000

 

解説

お客様から現金を受け取り、当店が商品券を発行した場合、将来お客様から商品券を受け取った時に商品を譲り渡す義務を負うことになります。したがって、当店発行の商品券は負債勘定である「商品券」勘定で処理します。
 
現金 xxx / 商品券 xxx
 

一方、他店発行の商品券を受け取った場合は、発行元に商品券を買い取ってもらう権利が生じますので、資産勘定である「他店商品券」勘定で処理します。

 
他店商品券 xxx  / 売上 xxx
 
本問は他店商品券で¥200,000、現金で¥100,000売り上げていますので
 
他店商品券 200,000  / 売上 200,000
現金 100,000  / 売上 100,000
 
という二つの仕訳を合算したものが解答となります。
 
 

取引4

営業用の土地200㎡を1㎡あたり¥40,000で購入した。この土地の購入手数料¥1,000,000は現金で仲介業者に支払い、土地の代金は後日支払うこととした。

答えはこちら

仕訳

 

土地

 

9,000,000

 

未払金

現金

8,000,000

1,000,000

解説

まず、土地の購入代金は 200㎡ × ¥40,000/㎡ = ¥8,000,000 となります。

これに、固定資産の購入に伴って生じた付随費用(購入手数料)は固定資産の取得原価に含めますので、土地の簿価は¥9,000,000(=¥8,000,000 +¥1,000,000)となります。

販売用商品の売買以外から生じた代金の後払いは「未払金」で処理します。

 

 

取引5

従業員の給料から源泉徴収していた所得税合計額¥1,000,000を、銀行において納付書とともに現金で納付した。

 

答えはこちら

仕訳

所得税預り金 1,000,000 現金 1,000,000

 

解説

従業員の給料から源泉徴収していた所得税は「所得税預り金」という負債勘定で処理します。

預り金に関する関連投稿を末尾に掲載しておきました。重要な論点ですので、是非この機会に知識を整理していただければと思います。

 

 

おわりに

いかがでしたでしょうか?

今回の問題は日商簿記検定の第146回、第145回の第1問を参考に作成してみました。

レベル感、質感とも試験本番と同様の問題になっていると思います。

出来なかった問題についてはこの機会にマスターして下さいね。

それでは、お疲れ様でした!

 

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