簿記の流れを概観~手続全体を一巡しましょう


みなさんこんにちは!

 

さて、

今日はわかりやすい方法で簿記の流れを一巡し、

手続の全体を概観してみましょう。

 

とにかく簿記の手続を一巡してみることで

全体像を把握することが目的です。

なので、

あえてとても単純な取引事例を題材にします。

 

簿記の勉強を始めようという時、

いきなり勘定科目の暗記をしたり、

個々の仕訳を覚えようとするのも

悪くは無いかもしれません。

 

しかし、

まずは簿記でやる事の全体像を把握していただきたい!

と、思うわけです。

 

まずは、

簿記の世界のシンプルな地図を描きます。

細い路地は描きません。

大きな通りだけを描きます。

 

全体の道順や方向性を把握してから

細かい情報を足して行く。

 

そんな方法で進めてみましょうよ。

 

でははじめましょう。

 

別の投稿の事例でも登場した青山くんに

今回も登場してもらいます。あえて事例も

過去の投稿と似たものにしますね。

 

取引は次の3つだけです。
1、資金を投じ、レコードショップを開始する
2、レコードを仕入れる
3、レコードを売る
 

では1番目から始めます。

 

青山くんはコツコツ貯めてきた100万円で

中古レコードの仕入販売をする事にしました。

 

11日、

青山くんが普段の生活や貯金等プライベートに使っている財布から、青山レコードショップのビジネス用財布に100万円を移し替えました。

青山レコードショップの始まりです。

 

11日時点で持っているお金そのお金の出所は以下の通りです。

現金 100万円 資本金 100万円

 

簿記では上記の文章から次のエッセンスを抽出して記録します。

青山レコードショップの現金が増えました。

そのお金の出所(源泉)は青山くんがこのビジネスに投じた資金です。

つまり、

返す必要の無い青山レコードショップの自己資金として拠出されたものです。

 

この情報は、簿記の世界では、

現金100万円(増加)

自己資本100万円(増加)

と要約されます。

 

110日、

青山くんは中古レコードを3万円分

仕入れました。

 

お金の使い道は

仕入(転売目的のレコード購入)

対価として現金が減少しました。

 

次の様にメモしておきましょう。

 

仕入 3万円 / 現金 3万円

 

取引の内容は

仕入3万円(増加)

現金3万円(減少)

と要約されます。

 

120日、

仕入れたレコード全部を

10万円で売り上げました。

 

現金が増加し、その現金はレコードの売上によってもたらされました。

 

現金 10万円 / 売上 10万円

 

とメモします。

 

取引は

現金10万円(増加)

売上10万円(増加)

です。

 

取引は以上です。

青山レコードショップ用のお金を用意した後、一回の仕入と一回の売上がありましたね。

 

131日、

ビジネスを始めて最初の一月が過ぎました。

青山レコードショップ1ヶ月分の集計を行います。

 

131日時点で持っているお金そのお金の出所

現金 107万円

 

資本金 100万円

(差 7万円)

 

1ヶ月の儲けの計算書

仕入販売活動に伴って支払った額受け取った額

そしてそれらの差額は以下の通りです。

仕入3万円

(差 7万円)

売上10万円

 

この差が利益です。

 

131日時点の貸借対照表上では

持っているお金107万円

その出所・源泉が示されています。

もともとの自己資本100万円

仕入・売上差額で得た利益7万円

源泉です。

      貸借対照表

現金 107万円

 

資本金 100万円

利益 7万円

 

1ヶ月間の損益計算書では、

売り上げた金額10万円

その仕入価額3万円

それらの差額として利益が7万円

と表示されています。

      損益計算書

仕入3万円

利益 7万円

売上10万円

 

 

ここまでが簿記の一巡です。

とてもシンプルな事例でしたが、

どの様なことが分かりましたか?

 

まず、

持っている資産の金額

それがどの様に調達されたものであるか

が分かりました。

 

それと、

得た収益の大きさと、

それにかかった費用の大きさ

その差額の利益の金額がわかりました。

 

ここから更に

いろいろな取引を増やしていけば、

よりリアルな会社の活動に近い

簿記になっていきます。

 

が、しかし、このシンプルな事例だけでも

とても多くのことが分かります。

 

簿記の世界では、

左側に持っている資金や資金の使途を示します。

また、

右側にはそれら資金の調達源泉を示します。

左側 右側
資産 資本
費用 収益

 

そして、

上記の文章では「メモ」と書きましたが、

資産・費用の増加は左側にメモし、

資本・収益の増加は右側にメモします。

反対に、

資産・費用の減少は右側にメモし、

資本・収益の減少は左側にメモします。

左側 右側

資産の増加

(資本の減少)

(資産の減少)

資本の増加

(収益の減少)

費用の増加

収益の増加

(費用の減少)

 

これらのメモを頼りに

開始時点の各項目の金額に

一定期間の取引の金額を加減し、

終了時点の金額を算出します。

 

そして、各項目のうち、

資産資本は貸借対照表に示します。

また、

費用収益は損益計算書に示します。

 

これがシンプルなケースの全体像です。

 

慣れないと難しく感じますよね?

 

一回で解ったら天才ですよ。

 

なので、

何回か同様のケーススタディを掲載しますね。

これからちょっとずつ慣れていきましょうね。

 

では今日はこの辺で!

 

お疲れ様でした!

 

関連投稿

簿記の流れを概観2〜手続全体を一巡

 

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