資産と費用は左が増加


みなさんこんにちは!

さて、前回の投稿「仕訳は簿記のパスポート」では、仕訳の作成の仕方と、それを勘定に記入するプロセスについてご説明しました。

 

しかし、前回の投稿ではあえてご説明しなかった点があります。それは、

 

各勘定の金額の増加は左側に書くのか右側に書くのか

 

という点です。

 

それは勘定科目の性質によります。

現金勘定でしたら左が増加ですし、

前回の投稿で使った例に登場したバイト代勘定でしたら右側が増加(発生)です。

そのルールは、追ってご説明することにしてきました。

その代わりに、勘定科目ごとに左右どちらが増加・減少かを示す一覧表(下記)を用いながら仕訳を作成しました。

勘定 左側 右側
現金 増加 減少
バイト代 減少 増加
食費 増加 減少
洋服代 増加 減少

 

今回の投稿ではそのルールについてご説明しようと思います。

世の中の教科書や説明では、このルールについて最初に暗記することを求めるものが多くあります。

それはそれで良い方法ですので、暗記が出来る方はどんどん暗記していただいて結構です。

 

ただ、この説明では、最終的に覚えるにしても、少しづつ段階的に記憶していける様にしたいと思いますので、説明の順番や、一回の投稿で覚える分量を調整しています。

今回もそんな配慮をしつつ、「簿記2.0」ならではの方法で説明を進めさせていただきたいと思います。

 

では行きます。

勘定の左右どちらが増加を示すかのルールはこちらです。

 ↓↓↓

ルール

資産と費用は左が増加

(それ以外は右が増加)

 

簿記ではいろんな勘定科目を設定できます。

試験で出る勘定科目はある程度限定されますが、実務では特に制約は無く、自由に設定できます。

ただ、それらの勘定科目は次の分類のいずれかに属することになります。

 資産(しさん)

 費用(ひよう)

 負債(ふさい)

 資本(しほん)

 収益(しゅうえき)

 

このうち、「資産」に属する勘定科目と「費用」に属する勘定科目は側が増加で右側が減少です。

 

で、その「資産」ですが、中身はこんなものです。

 

資産

・持っているもの

・買ったけどまだ使い切っていない分

・財産・総資産

・現金・預金

・商品(売るもの)

・備品(机、棚など)

・車

・建物

・土地

 

次に「費用」とはこんなものです。

 

費用

・使った額

・かかった経費

・費消(ひしょう)した額

・販売用商品の仕入額

・水道光熱費(水道代・電気代・ガス代等)

・通信費(電話代・切手代等)

・支払家賃

・消耗品費(事務用品費)

 

前回の投稿で登場した勘定科目では、

「食費」が費用ですね。

「洋服代」も費用です。

たいていの服は一回着たら売却価値は限りなくゼロに近付くという前提で考えると、洋服はすぐに費消されるもの、と捉えて良いでしょう。消耗品費に近いですね。

 

というわけで、上記の2つのグループ(資産費用)に当てはまるものは全て側が増加です。

 

逆に、

上記の2つのグループに当てはまらないものは全て右側が増加です。

 

負債

・他人への支払い義務

・持っているもののうち、いつか他人に返さなければいけない額

・他人資本

・後日支払う義務を負っている金額(未払金)

・後日返済する義務を負っている金額(借入金)

 

資本(純資産)

・自分の持分

・持っているもののうち、他人に返す必要の無い額

・持っているものから他人に返すべきものを差し引いた純資産

・事業の元手として出資した金額(資本金)

・過去のもうけ(利益)を留保した額(自分で稼いだ利益の留保分)

 

収益

・稼いだ総額

・自分のものとして受け取った金額

・収益・収入(費用を差し引く前の総額)

・販売した額(仕入れ値ではなく売価で測った売上額)

・受け取った利息

・受け取った手数料

・受け取った家賃

 

ちなみに前回の投稿で登場した「バイト代」勘定は「収益」です。

 

 

これから簿記を勉強していくにあたって、色々な勘定科目が登場します。

その勘定科目が資産・費用・負債・資本・収益のいずれに属するのか、判断できる様にこれから練習して行きましょう。

 

ただ今日は、「もしその勘定が資産費用のいずれかであれば側が加だ」という事を覚えていただければ充分です。

 

ここまで来たら完全に簿記ワールドを自在に歩けますよ。

もちろんこれから新しい事に色々と出くわします。

でも、少なくともスタスタ自力で歩き回れる状態になりました。

簿記の世界の住人になったと言えます。

 

私の仮説だと、ここまでのところで挫折して簿記から離れていく方が相当数いるのではないかと思っています。

私が最初簿記と出会った時に一回放り投げたタイミングもこのあたりでした。

(その後なんとかリベンジしましたが)

 

なので、あなたがここまで読んでくださって本っ当ぉ〜に良かったです!

 

おめでとうございます!

 

ようこそ簿記の世界へ!

 

大袈裟でなく、本当に本当に、そう思います。

 

 

 

関連投稿

簿記への入り口T勘定

仕訳は簿記のパスポート

あっという間の試算表

比べてみよう!BS・PL 〜 簿記の社会的意義

BS・PL、出来ました!

 

 

LINE登録

QRコード

LINE限定で簿記学習サポート記事をお届けします。

完全無料です。

 

QRコードでLINEの友だちを追加

 

 

スマホのQRコードリーダーで読み取っていただくか、

あるいは

LINEアプリを起動して、

[その他]タブの[友だち追加]でQRコードをスキャンします。

 

LINEで友達に追加後、簿記学習サポート記事をお送りします。

サポート記事の配信はブロックする事でいつでも配信解除できます。

 

サポーター講師:藤井すすむ

@798vhpej

フォローと「いいね!」

メールマガジン登録


あなたの簿記学習をサポートする情報をお届けします。

藤井すすむ 簿記2.0 完全無料メールマガジン

登録はこちら

フォローと「いいね!」



完全無料メールマガジンに登録する

SNSでもご購読できます。

ブログ統計情報

  • 316,620 アクセス

フォローと「いいね!」

最近の投稿: 藤井すすむ 簿記2.0 ~ 藤井すすむ式簿記解説 ~

簿記問題の読み間違い・ケアレスミスへの対策+簿記勉強法

みなさんこんにちは!藤井すすむです。   今回の投稿は   「簿記問題の読み落とし・読み間違い・ケアレスミスへの対策」   についての記事であると同時に   「簿記勉強法・簿記学力向上法」   についてご説明しています。 […]

でんさい とは? 電子記録債権・電子記録債務 簿記での仕訳・勘定科目

電子記録債権(債務)とは、電子債権記録機関(でんさいネット等)の記録原簿に債権(債務)発生の記録を行うことで発生する債権(債務)です。勘定科目や仕訳など、簿記での処理についてご説明します。

クレジット売掛金とクレカ会社への手数料の簿記仕訳をわかりやくすく

クレジット売掛金とクレカ会社への手数料の簿記仕訳をわかりやくすくご説明します。
なぜクレジットカード会社に手数料を支払うのでしょうか?
自分がクレカ決済を導入して何かを販売しする業務に関わっていないと解りにくい場合があるのではないかと思いましたのでまとめました。

私も読者様も3級満点合格!!

「藤井様のブログ、スマホで一問一答を勉強し、無事先月の簿記三級に満点合格出来ました。ありがとうございました」という嬉しい感謝のお言葉をいただきました。私も辛うじて満点合格できました。実際に受けてみて、皆さんと同じ緊張感を感じることができましたし、満点合格したことで簿記のことを伝えていくモチベーションが更に高まりました。

簿記のやりがい〜経理は経営管理の仕事を通じて会社のリーダーとしての役割が期待される

経理は会社のリーダーになれます。
短期的利益だけでなく長期的成長を考える経営マインドを持った経理が会社をリードしたら強いと思います。
簿記を勉強する先の話として、経理の役割、やりがい、オーナーシップ、リーダーシップについて書きました。

簿記資格って必要なの?実務と勉強はちがう?!

これから簿記を勉強しようと思っている簿記初学者や、資格試験を続けることに悩んでいる受験者に向けて「簿記・経理の知識は必要ですよ」というメッセージをまとめました。
1. 簿記3級の資格は仕事には必要か?という素朴な疑問
2. 実務と勉強は違うのか?
3.実務と勉強は違う、でもどっちも必要という事実
についてです。

簿記3級をとって良かった事〜Aさんのケース

経理部で働く20代後半女性Aさんがリアルに感じている「簿記を学んで良かったこと」を正直ベースのコメントでご紹介します。

試験の結果が全てではない理由

簿記の試験が終わり、燃え尽きている方もいるかもしれません。
でもここまで勉強し、試験にまで辿り着けた自分をまずは褒めてあげましょう!
3級の合格に必要な期間は2〜3ヶ月、100時間と言われていますが、
これは初学者の場合です。
2週目は格段に余裕が出てきます。諦めずに続けましょう。

諦めたらそこで試合終了

諦めなければ必ず合格できるのが簿記3級です。未経験からのスタートだったとしても諦めては駄目です。未経験で簿記3級の勉強をしていると、「自分には無理かもしれない」、「学生時代にやっていないから厳しい」と思う瞬間が何度もあるかもしれません。しかし、その時には「諦めたらそこで試合終了」と自分に言い聞かせましょう。

簿記を活かした就職 ~ 事業会社か会計事務所か

経理・会計系の労働市場は人手不足の状況にあるようです。
簿記を活かした就職 には会計事務所や一般企業の経理部など、いろいろな選択肢があります。
その就職先が提供する商品・サービスの価値や給与の額も考えて、色々な可能性を検討してみる事をお勧めします。

コメント

コメントをどうぞ

Follow by Email
YouTube
Instagram
にほんブログ村 資格ブログへ にほんブログ村 資格ブログ 簿記検定へ ブログランキング・にほんブログ村へ