スマホで仕訳一問一答 Vol.14 日商簿記3級レベル〜決算整理・精算表の作成


今回は日商簿記3級検定試験の第5問を想定した問題です。

過去の傾向から判断すると、第5問では精算表の作成や財務諸表の作成が求められる傾向にあります。

問題用紙や解答用紙の試算表や精算表、財務諸表を見ながら、仕訳をそこに追加して財務諸表等を作成して行く作業になります。

ということは、その練習をするには電卓やペン、紙、机が必要になります。

 

スマホでサクッとスキマ時間に簿記力を身につけるというコンセプトからすると難しい状況と言わざるを得ません。

 

しかし、スキマ時間を使って勉強することの価値を重く考えている私としては、仕訳部分だけでもスキマ時間にペン、紙、机が無くてもやっていただける様にまとめてみました。

数字も極力電卓無しで計算できる様な設定にしました。

 

PDFも添付しましたので、プリントして机に向かって取り組んでいただける方はその様にしていただくことが良いと思います。

しかし、そうでない方も、

(1)まずは仕訳部分だけでもスマホで解いて下さい。

ひと通り仕訳を解いたら、

(2)仕訳はできたものとして、そこから先の作業を練習して下さい。

つまり、解答としての仕訳一覧のPDFと精算表のPDFを添付しましたのでそれらをダウンロードしてプリントして、仕訳を精算表上の修正記入欄に記入して損益計算書と貸借対照表を作成して下さい。

 

2ステップに分けます。

(1)電車の中でスマホと頭で仕訳を切ります。

(2)家に帰って紙と電卓とペンを使って精算表作成作業を行います。

この様に第5問を二つの作業に分断することで効率的な勉強が出来ると思います。

 

ではでは、問題に移りましょう。

 

問題

次の決算整理事項等に基づいて、答案用紙の精算表を完成しなさい。

なお、会計期間は1月1日から12月31日までの1年間とする。

【 精算表 】(PDFファイルはコチラ→190501_精算表-blank

 

【 残高試算表部分の拡大 】

 

【決算整理事項等】

1)

当期に仕入れていた商品¥100,000を決算日前に返品し、同額を掛代金から差し引くことにしたが、この取引が未記帳であった。

仕訳はコチラ

 

 

2)

小口現金係から次の通り小口現金を使用したことが報告されたが、未記帳であった。なお、この報告にもとづく補給は翌期に行うこととした。

・文房具 ¥2,000(使用済み)

・電車賃 ¥5,000

仕訳はコチラ

 

 

3)

残高試算表欄の土地の三分の一は売却済みであったが、代金¥1,100,000を仮受金としたのみであるため、適切に修正する。

仕訳はコチラ

解説

a. 行なっていた仕訳

(借方)現金等 1,100,000

 (貸方)仮受金 1,100,000

b. 行なっていた仕訳の逆仕訳

(借方)仮受金 1,100,000 

 (貸方)現金等 1,100,000

c. あるべき仕訳

(借方)現金等 1,100,000

 (貸方)土地 1,100,000

     固定資産売却益 100,000

d. 訂正仕訳 = b + c

(借方)仮受金 1,100,000 

 (貸方)土地 1,100,000

     固定資産売却益 100,000

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4)

残高試算表欄の保険料のうち¥12,000は当期の7月1日に向こう一年分として支払ったものであるが、12月中に解約した。保険会社から翌1月1日以降の保険料が月割で返金される旨の連絡があったため、この分を未収入金へ振り替える。

仕訳はコチラ

解説

保険料は7月1日から向こう1年間の契約でした。しかし、1月以降の6ヶ月分については解約となりましたので当期の保険料から差し引きます。その6ヶ月分については後日支払われますので、問題文にもある通り「未収入金」勘定で処理します。

¥12,000 × 6ヶ月/12ヶ月 = ¥6,000

 

 

5)

受取手形および売掛金の期末残高合計に対して3%の貸倒引当金を差額補充法により設定する。

仕訳はコチラ

解説

受取手形および売掛金の期末残高は精算表上の残高試算表から取得します。

(受取手形期末残高¥600,000 + 売掛金期末残高¥400,000)× 貸倒引当金設定率 3% = 貸倒引当金設定額¥30,000

 

貸倒引当金設定額¥30,000 - 貸倒引当金決算整理前残高¥20,000 = 貸倒引当金繰入¥10,000

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6)

期末商品棚卸高は¥300,000(1の返品控除後)である。売上原価は「仕入」の行で計算するが、期末商品棚卸高については返品控除後の金額を用いる。

仕訳はコチラ

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7)

建物および備品について次のとおり定額法で減価償却を行う。

・建物:残存価額は取得原価の10%、耐用年数30年

・備品:残存価額はゼロ、耐用年数5年

仕訳はコチラ

 

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8)

給料の未払い分が¥50,000ある。

仕訳はコチラ

 

 

9)

手形借入金は当期の12 月1日に借入期間1年、利率年6%で借り入れたものであり、借入時に1年分の利息が差し引かれた金額を受け取っている。そこで、利息の前払い分を月割りにより計上する。

仕訳はコチラ

解説

手形借入金残高¥2,000,000 × 年利率6%/年 = 年間利息額¥120,000

このうち、当期の利息となるのは12月の1ヶ月分のみであり、残りの11ヶ月分については来期の費用ですので貸借対照表上の「前払利息」勘定に計上し、来期に繰り越します。

年間利息額¥120,000 × 11ヶ月/12ヶ月 = 前払利息¥110,000

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仕訳問題はここまでです。

以下が仕訳一覧と精算表のPDFですので、プリントアウトして転記作業をしてみてください。

 

【 仕訳一覧 】(PDFファイルはコチラ→190501_仕訳

 

【 精算表 – ブランク 】(PDFファイルはコチラ→190501_精算表-blank

【 精算表 – 完成版 】(PDFファイルはコチラ→190501_精算表-filled

 

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