仕訳は簿記のパスポート

みなさんこんにちは!

今日も簿記初心者の方に向けた記事です。

そして今日は「仕訳」についてです。

 

前回の投稿で簿記の世界への入り口が見つけられない方に向けて「T勘定」についてご説明をしました。

T勘定がどうワークするかご理解いただく事で、まずは簿記ワールドの入り口をくぐっていただけけたのではないでしょうか。

 

そこでお話ししたことはこんなことでした:

(1)現金の増減をT勘定に書くときには左に増加、右に減少を記載します。

(2)そして現金勘定の左に記載したら何か別の勘定の右側に同額の記入をします。

(3)右側に増加額を書くのか、減少額を書くのかは勘定ごとにルールが決まっています。

なお、今は(3)のルールを覚えなくて構いません。勘定ごとのルールについては追ってご説明しますので。

(脳ミソの使いどころを分散させたくないからです。)

 

ではここでちょっと考えてみてください。

勘定単位で金額の増減や残高をみたいときは何を眺めれば良いでしょうか?

例えば、「今月の現金の動きはどんな感じだろう?」あるいは「現在の現金の残高はいくらだろう?」と思った時です。

 

そうです。そんな時は前回学んだ現金勘定を眺めてみれば良いですよね?

 

はたまた、「今月の食費はどの程度かかっているのだろう?」と思ったら、食費勘を見れば食費の状況がわかりますよね?

 

一方、

 

勘定単位ではなく、取引単位(出来事単位)で状況を見たいときにはどうすれば良いでしょうか?

例えば、「2日にはどんな取引(出来事)があったかな?」と思ったときです。

 

現金勘定を見て、「2日」の記録を探して相手勘定と金額を見て取引(出来事)を判別することもできるかもしれませんね。

 

しかし、これまで見た取引例はとても単純なものでして、実際はもうちょっと複雑な取引が出てきます。

 

なので、勘定科目単位の要約だけでなく、

取引単位の要約があると便利になってきます。

 

前回の投稿と同じ例を見てみましょう。

 

5月1日、バイト代¥10,000を現金でもらった。

という取引がありました。

これをT勘定に記入すると以下の様になりましたね。

つまり、

現金勘定の左側に10,000

バイト代勘定の右側に10,000

という記入をしました。

 

この取引の要約を簿記の世界では次の様に表現します。

 

現金 10,000 バイト代 10,000

 

左側に現金 10,000、右側にバイト代 10,000、

と書いてありますね。

この意味は、

 

現金勘定の左側に10,000を記入する。

バイト代勘定の右側に10,000を記入する。

 

ということです。

 

これから練習を繰り返すことで徐々に慣れて行こうと思いますが、慣れてくると、この仕訳は次の様に読める様になってきます。

 

現金勘定の左側(つまり現金の増加)が10,000。

バイト代勘定の右側(つまりバイト代の増加)が10,000。

 

「ふむふむ、バイド代が増えて現金が増えたんだな」と。。。

 

「慣れてくると」と言いましたが、もう少し具体的に考えると、この様に読み取れる様になるためには何が必要でしょうか?

 

具体的には、

現金勘定の左側は現金の増加なのか減少なのか。

バイト代勘定の右側はバイト代の増加なのか減少なのか。

そういった事が頭に入っていないと、パッと増加・減少が読み取れませんよね。

 

ですが、どうぞ焦らないでください。

各勘定の右左、どちらが増加・減少かは後でルールをご説明しますのでその時に覚えましょう。

今はとりあえず、覚えるのではなく、こんな一覧表を用意してみましょう。

勘定 左側 右側
現金 増加 減少
バイト代 減少 増加
食費 増加 減少
洋服代 増加 減少

こんな一覧表が常に手元にあれば、

現金 10,000 バイト代 10,000

という記述の内容が

現金が10,000増加した。

バイト代が10,000増加した。

ということだとわかりますよね。

 

この

現金 10,000 バイト代 10,000

という記述を

「仕訳」(しわけ)

と言います。

 

どんな取引(出来事)があったかの要約

として機能します。

 

T勘定と仕訳の関係

実はですね、、、

私はT勘定を先にご説明しましたが、

本当の理屈上はこの仕訳が先にあるんです。

 

1、出来事(取引)があって、

2、それを仕訳の形で要約してメモし、

3、仕訳に従ってT勘定に記入する、

 

という3ステップです。

 

この3ステップの流れで前回の投稿の例をやり直してみましょう。

(1)出来事(取引)

5月1日、

バイト代¥10,000を現金でもらった。

(2)それを仕訳の形で要約してメモ

現金が増加した。

そして

バイト代が増加した。

一覧表を見る。

勘定 左側 右側
現金 増加 減少
バイト代 減少 増加
食費 増加 減少
洋服代 増加 減少

現金の増加は左側

バイト代の増加は右側

左側に現金、右側にバイト代

で仕訳を書く。

現金 10,000 バイト代 10,000

(3)仕訳に従ってT勘定に記入する

現金勘定の左側に10,000(日付は1日、相手勘定は「バイト代」)

バイト代勘定の右側に10,000(日付と相手勘定も忘れずに)

 

・・・こうして見ると、やっぱりT勘定への記入よりも、その前のステップである仕訳の方がハードルが高いですよね。

簿記の世界の壁を高くしているのはやはり「仕訳」の作成だと思います。。。

 

出来事を仕訳に置き換える作業になれるまでは、ある意味で語学の勉強の様な頭の使い方をするかもしれません。

でも語学の勉強に比べたら格段に簡単ですので一緒に進んで行きましょう。

 

では、

そのほかの取引も仕訳の形にしてみましょう。

 

5月2日、

食費を¥3,000、現金で支払った。

現金が減少し、食費が増加した。

一覧表を見る。

勘定 左側 右側
現金 増加 減少
バイト代 減少 増加
食費 増加 減少
洋服代 増加 減少

現金の減少は右側、食費の増加は左側。

右側に現金、左側に食費で仕訳を書く。

食費 3,000 現金 3,000

 

 

5月3日、

バイト代¥10,000を現金でもらった。

1日と同様に、

現金 10,000 バイト代 10,000

 

 

5月4日、

洋服代を¥5,000、現金で支払った。

現金が減少し、洋服代が増加した。

一覧表を見る。

勘定 左側 右側
現金 増加 減少
バイト代 減少 増加
食費 増加 減少
洋服代 増加 減少

現金の減少は右側、洋服代の増加は左側。

右側に現金、左側に洋服代で仕訳を書く。

洋服代 3,000 現金 3,000

 

 

5月5日、

バイト代¥10,000を現金でもらった。

1日と同様に、

現金 10,000 バイト代 10,000

 

 

5月6日、

食費を¥8,000、現金で支払った。

2日と同様に、

食費 8,000 現金 8,000

 

 

お疲れ様でした。

これらが「仕訳」というものです。

 

前回、「勘定」の見方と記入の仕方を学びました。

そして今回、「仕訳」の作成の仕方を学びました。

 

おめでとうございます!!!

 

簿記ワールドの入り口をくぐり、園内を通行できるパスポートを手に入れました。

 

ただ、今はまだ、各勘定の増減を左右どちらに書くか、一覧表を頼りに判断しています。

いわば、「園内マップを眺めつつ歩いている」と言ったところでしょうか?

この園内マップを頭に入れる作業が終われば、自由に動き回る事ができる様になります。

「頭に入れる」とは言っても、「暗記して下さい」ということではありません。

一定のルールがありますのでそんなルール、構造の様なものを説明させていただこうと思っています。

 

ですが、なによりも本日、

仕訳と勘定記入の関係が理解できた

ということは本当に大きな成果です。

 

おめでとうございます!

是非今後の投稿にもお付き合いください。

そして簿記3級まで走り抜けましょう!

 

 

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サポーター講師:藤井すすむ

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