経理部に転職する方法
もし今あなたが経理職へ転職することを望んでいるのであれば、次のいずれかの方法が選択できると思います。
1. 最低限 簿記3級 に合格し、いきなり別会社の経理職に転職する
もしあなたが経理未経験者であったとしても、求人情報の募集要項に「未経験歓迎」とか「簿記3級以上」などという言葉があれば可能性はあります。ただし、最低限 簿記3級 には合格して、最低限必要な知識を持っている事と学ぶ姿勢と行動がある事を示しましょう。
2. 最低限 簿記3級 に合格し、今の会社で経理部への異動希望を出す
今の会社で社内公募に応募したり、人事部や経理部のマネージャーに直談判してみましょう。
いきなり未経験で他の会社の経理職につくよりも実現可能性が高いですし、社内の情報を持っているので経理に行ってもそれを有効活用できます。
一旦自社で経理職に就ければ、次の転職で他社の経理を希望する時は「経験者」枠に入れます。
3. 最低限 簿記3級 に合格し、今の職種で別の会社に転職し、その後経理に異動する
今まで経験を積んだ職種であれば好条件で他の会社で採用される可能性は高くなります。
但し、当面は採用された職種で頑張らなければなりません。
私の考えでは、1を狙うのもアリですが、2の社内異動を狙うのがベストな気がします。社内事情に精通している、という点が新しい環境に順応するのに有利だからです。
今いる会社での社内異動が叶わなかった場合には1にトライし、それも難しい場合には3で行くしかないかもしれませんね。
経理部に行った後に求められる思考と行動
経理部でやること
晴れて経理部に行った後にやることのイメージはこうです。
最初はただひたすら数字を経理システムにインプットしたりアウトプットしたり、あるいはそれをExcelで決められたフォーマットに集計する作業かもしれません。
でも、今までとは違う新しい場面や例外的な場面が必ず訪れますし、そういう場面で実力が試されますので、そういう点にフォーカスして書きます。
- 経理システムからデータをダウンロードします。
- そのデータをExcelその他のレポーティングツール上でまとめ直します。
- そしてそのレポートを見やすい配置でレイアウトし、適切なタイトルを付け、キチンと数字の単位も示し、必要な説明文を付します。
現状ではExcel無しで欲しいレポートを欲しい形で何の加工もなく取得できる環境が整っている会社は少ないと思います。
もしExcelでの加工が必要ない理想的環境が整っている会社であれば、あなたが考えるべきなのは、
そのレポーティングツールでどの様なレポートを作成するか、
という点でしょう。
ツールが変わっただけで要点は同じです。
その際の注意点
その際に注意すべきは次の諸点です:
・数字の正確性
・資料の見やすさ
・メッセージやストーリー(その数字や資料にどの様なメッセージやストーリーがあるか示されている)
そのためにやること
報告する数字の意味を資料作成者であるあなた自身が知っていなければなりません。
わからなければ、調査し把握しましょう。
その為にあなたが調べるのは経理や簿記の更に向こう側にある「ビジネスそのもの」です。
会社のルール、方針は同然のこと、最近の動きや他部門が何をやっているかを
イントラや社内メール、他部門の人とのコミュニケーションを通じて把握します。
十分な情報を得たら、それを提供する資料の「見やすさ」にこだわる事はとても大事です。
センスが問われます。
普段から社内の資料だけでなく、世の中の広告や資料、印刷物に注意を払いましょう。
それらのレイアウトやフォント、見せ方に注意を払い、吸収しようという姿勢を持つことが大事です。
必要なマインド
そして何より、情報の受け手の気持ちになって自分の資料を眺めてみることが大事です。
資料を作ったあなたは、資料を作る間の数十分から数時間、その資料の内容のことを考え続けています。
自分が作った資料を眺めれば、どこに何が書かれているか、この資料で何を言いたいか、解っていて当たり前です。
しかし、その資料を見せる相手はあなたではありません。あなた以外の誰かです。あなたにその仕事を依頼した人です。例えば、直属の上司です。
その資料を見る直前まで別のことに頭を使っていた人が、
スッとあなたの資料に思考を移せるか。
資料の内容が頭に入って来るか。
つまり、見やすいか、という点が大事です。
そして、その資料はその依頼人(直属の上司)が何の手を加えなくても更に他の人に見せることが出来るのがベストです。
つまり、
その上司が見せる先の人(例えば上司の上司、社長など)が特段の説明が無くとも理解できる解りやすさを備えていればベストです。
もしそういうQualityの仕事が出来れば、上司や会社はあなたを雇い続けたいと思いますし、評価も上がり、給与も上がるでしょう。
Deliverable(デリバラブル)
成果物の事を英語でDeliverable(デリバラブル)と言います。
語源の説に正解はありませんが、「この仕事をして下さい」とお願いした人(依頼者)に対して提供(Deliver)できる(able)ものだから「Deliverable」だというのが多くの人が言う説かもしれません。
ですが、私は自戒の念も込めてこう考えています。
「その仕事の依頼者が更に別の人に対しても、そのままDeliver出来るだけの品質を備えた成果物」
自分の仕事の成果物はそれを受け取った人が他者に渡す(Deliver)ことができる(able)品質を備えていなければならない。
逆に、
依頼人が別の人にそのまま渡せるだけの品質を備えていなければ
完成品として納品するレベルに達していない。
かなりストイックに聞こえるかもしれませんが、この考えを多くの人が持ったらビジネスはもっとスムーズに流れて行く気がします。
採用の話に戻ると、、、
経理の場で本当に重宝されるのは上記の様なマインドや行動です。
こういったことができれば、経理部に入った後も信頼を得ることができ、良好な職場での評価と給与が期待できます。
ただ、こういう人が良い、ということを、採用する側がそもそも明確に認識し、言語化できていない場合があります。
上記の様な行動をあなたがした結果を受けて、
「こういう人いいなぁ」
「こういう人を求めていた」
なんて、事後的に思われるケースもあるでしょう。
求人に際しては、本当に欲しい資質や行動パターンを言葉で書ききれないので、最低限の要件として「簿記資格3級以上」などと書かれるのです。
あなたはきちんと勉強すれば簿記3級は合格できるでしょう。
その後に必要となる資質や行動を明確にイメージしてキャリアアップにつなげていって下さい。
その意識を持っている事を面接の場でも伝えられる範囲で伝えられたらなお良いでしょうね。
応援していますので頑張って下さい!
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