「似た問題が何回も出てくるな?」

とうとうVol.9まで来ましたが、これまでお読みいただいている方の中にはそんな風にお感じの方もいらっしゃるかもしれません。

そうなんです。

出題される論点、つまり、簿記3級を学ぶ方に押さえておいて頂きたい大事な論点は無限にある訳では無いんです。

練習を積み重ねる事で記憶は定着し、合格は確実に近づいて来ます。

このブログを読んでいただいている方は確実に力が身に付いています。

このまま進んでいきましょう。

 

という訳で、今回も5問。

過去問を参考に出題させていただきます。

 

スキマ時間にサクッと学んじゃいましょう!

 

問題

下記の取引について仕訳して下さい。

勘定科目は、次の勘定科目を参考にして下さい。

 

現金 小口現金 現金過不足 当座預金 普通預金 受取手形 売掛金 前払金 貸付金 手形貸付金 未収入金 仮払金 未収利息 未収手数料 前払費用 繰越商品 建物 備品 土地

支払手形 買掛金 未払金 前受収益 仮受金 商品券 所得税預り金 借入金 手形借入金 貸倒引当金 建物減価償却累計額 車両減価償却累計額 備品減価償却累計額 資本金

売上 受取利息 受取手数料 固定資産売却益 雑益

仕入 給料 広告宣伝費 旅費交通費 水道光熱費 保険料 通信費 消耗品費 発送費 租税公課 貸倒損失 修繕費 支払利息 支払手数料 貸倒引当金繰入 減価償却費 雑損 固定資産売却損 損益

 

取引1

仕入先神楽坂商店に注文していた商品¥100,000が到着した。

商品代金のうち20%は手付金としてあらかじめ支払済みであるため相殺し、残額は掛けとした。なお、商品の引取運賃¥2,000は着払い(当店負担)となっているため運送業者に現金で支払った。

 

答えはこちら

仕訳

解説

本問のポイントは(1)手付金の処理と(2)仕入諸掛の処理です。

(1)まずは手付金です。

予め支払っていた手付金や内金は「前払金」勘定で処理します。

支払った時に

という仕訳を切っていますので

仕入代金に充当するために前払金を減少させるときには右側(貸方)に前払金勘定を建てます。

相殺しきれない80%に相当する額、¥80,000については、買掛金勘定を計上します。

(2)もう一つのポイントは引取運賃(仕入諸掛)の取り扱いです。

当社負担の仕入諸掛は仕入に含めて費用処理します。

したがって、

という仕訳になります。

仕入諸掛、売上諸掛について当社負担か取引先負担かによって勘定科目が異なります。

以下の表がそのまとめです。

前払金と仕入諸掛に関する関連投稿を末尾に掲載しておきましたのでぜひ復習してくださいね。

 

 

取引2

得意先から先月締めの掛代金¥10,000の回収として、振込手数料¥300(当店負担)を差し引かれた金額が当店の当座預金口座に振り込まれた。

答えはこちら

仕訳

解説

売掛金回収の取引と手数料支払の取引とのミックスです。

一つ一つ仕訳を作り、合算すれば正解にたどり着きます。

売掛金回収の仕訳

手数料支払の仕訳

これらをまとめると

となります。

 

 

取引3

業務で使用する目的でコピー複合機¥590,000を購入し、搬入設置費用10,000を含めた600,000のうち200,000は小切手を振り出して支払い、残額は翌月以降の分割払とした。

答えはこちら

仕訳

解説

この問題のポイントは(1)付随費用、(2)小切手の振り出し、(3)未払金の3つです。
(1)固定資産の取得価額には購入に伴い発生した付随費用(使用できる状態にするまでの費用)を含めますので、搬入設置費用は備品勘定に加算します。
また、
(2)小切手の支払は当座預金の減少として処理します。
そして、
(3)販売用商品の購入代金後払いは買掛金で処理しますが、販売用商品以外の代金後払いは未払金で処理します。
 
なお、「分割払い」という点に惑わされないでいただきたいです。分割か一括かという点にポイントは無く、「未払いである」という点にフォーカスしましょう。どちらであっても「未払金」であることに変わりはありません。
 
固定資産購入の付随費用について関連投稿リンクを巻末に掲載しましたのでご参照ください。
 

取引4

所轄税務署より納期の特例承認を受けている源泉徴収所得税の納付として7月から12月までの合計税額¥60,000を、納付書とともに銀行において現金で納付した。

答えはこちら

仕訳

解説

源泉徴収所得税は、給与から差し引いた時に「所得税預り金」という負債勘定を右側(貸方)に計上しています。

なので、それを納付した時には「所得税預り金」勘定を左側(借方)に建てます。
現金で支払っていますので、仕訳の右側(貸方)は「現金」勘定ですね。

預り金についての関連投稿リンクを巻末に載せましたのでぜひ復習していただければと思います。

 

取引5

月末に金庫を実査したところ、紙幣¥100,000、硬貨¥100,000、得意先振り出しの小切手¥100,000、約束手形¥100,000、郵便切手¥100,000が保管されていたが、現金出納帳の残高は¥550,000であった。不一致の原因を調べたが原因は判明しなかったので、現金過不足勘定で処理することにした。

 

答えはこちら

仕訳

解説

頻出トピックである現金過不足の問題です。

この問題は色々なアイテムが登場しますね。

紙幣、硬貨、得意先振り出しの小切手、約束手形、郵便切手・・・。

どれが現金で、どれが現金じゃないのか判別できれば正解に辿り着けます。

そんなに難しく無いので、この機会に整理してしまいましょう。

現金のまとめ

現金勘定に含まれるのは通貨通貨代用証券です。

・硬貨

・紙幣

通貨代用証券

・得意先振り出しの小切手

・送金小切手

・郵便為替証書

 

攻略ポイントは通貨代用証券ですね。

通貨代用証券とは金融機関ですぐに現金に替えられるものです。

上記の3つを覚えておきましょう。

 

さて、本問で登場したもののうち、現金は紙幣と硬貨と得意先振り出しの小切手の合計¥300,000でした。

 

紙幣=現金

硬貨=現金

得意先振り出しの小切手=現金

約束手形=受取手形

郵便切手=貯蔵品

 

現金の実際の有高が¥300,000、帳簿残高が¥550,000です。

この場合、どちらをどちらに合わせるのでしたでしょうか?

そうです。

「帳簿残高」を「実際の有高」に合わせるんでしたよね?

ここ、ポイントです。

なので、現金勘定を¥250,000減額し、¥300,000にします。

その際、相手勘定を現金過不足勘定で処理しますので、

という仕訳になります。

現金過不足についての関連投稿を下記に掲載しましたのでご参照ください。

 

おわりに

今回は日商簿記検定第143回と第142回の第1問を参考にして問題を作成させていただきました。

「スマホで仕訳一問一答」シリーズでは、関連投稿へのリンクを必ず下に貼るようにしています。

設問をひと通り解いていただきつつも、あれ?と不安になった時に即座に復習できる作りを目指しています。

理解が十分ではないと感じた点があれば、是非とも関連投稿をご一読ください。

それでは、今回もお疲れ様でした!

 

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サポーター講師:藤井すすむ

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