みなさんこんにちは!

今日は付随費用・諸掛り(「しょがかり」と読みます)について見ていきましょう。

固定資産の購入にともない発生した付随費用や、商品売買の際にかかる発送運賃や運送費、 関税などの費用です。

何がこの問題を難しくさせているか?

これらの費用を常に「付随費用」という勘定科目や「仕入に伴う発送運賃」といった勘定科目で処理するものならば、さほど難しいとは感じないでしょう。

しかし、何が難しいかというと、まず、第1のポイントは、これらの費用を固定資産取得価額に含めたり、仕入に含めたりする点です。そして、第2のポイントはそれら費用を当店が負担するか取引先が負担するかで処理する勘定科目が異なる点です。

ポイント

①仕入・取得価額に含める場合そうでない場合がある

②当店が負担するか取引先が負担するかで処理する勘定科目が異なる

 

固定資産取得に伴う付随費用

ではまず、固定資産の購入に伴う付随費用について見ていきましょう。

例えば備品の設置費用、や不動産の仲介手数料や登記料などの諸費用ですね。

これらは固定資産の取得価額に含めます。

固定資産を購入した時は備品勘定・建物勘定・土地勘定など、その資産の内容を表す勘定科目で処理されます。そして、その計上価額は購入代価だけでなく、その取得に要した付随費用も足し合わせることになっています。

固定資産の計上価額=購入代金+付随費用

では問題例を見てみましょう。

(勘定科目の色分けは資産を青負債を赤収益を緑費用をオレンジにしています。)

(1) 備品¥700,000を購入し、代金は翌月末に支払うことにした。この購入にともない発生した運搬費¥10,000および据付費¥20,000は現金で支払った。

(2) 土地付き建物¥9,000,000(うち建物¥2,000,000、土地¥7,000,000)を購入し、売買手数料(それぞれの代金の1%)を加えた総額を普通預金口座から振り込むとともに引き渡しを受けた。

 

仕入諸掛り・売上諸掛り

次に仕入諸掛り・売上諸掛りについてです。「しょがかり」と読みます。

まず、仕入の際に支払った諸掛りは、当社が負担する場合は「仕入」勘定で処理し、仕入先が負担する場合は「立替金」勘定で処理します。

そして、売上の際に支払った諸掛りは、当社が負担する場合は「発送費」勘定で処理し、仕入先が負担する場合は「売掛金」あるいは「立替金」勘定で処理します。

一覧表にまとめると次のようになります。

と、このように一覧表で見ると、見やすいのですが、記憶として定着させるのは結構ハードル高いですよね?

わかります。

この諸係りについては問題例を読みながら慣れていくのが一番だと思います。

というわけで、以下、問題例を7ケース用意しましたのでお付き合い下さい。

(1) 仕入諸掛り・当店負担→「仕入」

商品¥200,000を掛けで仕入れ、引取運賃¥3,000(当店負担)は現金で支払った。

(2) 仕入諸掛り・取引先負担→「立替金」

商品¥200,000を掛けで仕入れ、引取運賃¥3,000(取引先負担)は現金で支払った。なお、引取運賃は買掛金には含めない。

(3) 売上諸掛り・当店負担→「発送費」

商品¥200,000を掛けで売上げ、引取運賃¥3,000(当店負担)は現金で支払った。

(4) 売上諸掛り・得意先負担・「売掛金」とするケース

商品¥200,000を掛けで売上げ、引取運賃¥3,000(取引先負担)は現金で支払った。なお、引取運賃は売掛金に含めて請求する。

 

(5) 売上諸掛り・得意先負担・「立替金」とするケース

商品¥200,000を掛けで売上げ、引取運賃¥3,000(取引先負担)は現金で支払った。なお、引取運賃は売掛金には含めない。

 

(6) 売上諸掛り・両者負担・「売掛金」とするケース

商品¥200,000を掛けで売上げ、引取運賃¥3,000は現金で支払った。なお、引取運賃は当店と取引先とで半分ずつ負担することになっており、取引先負担分は売掛金勘定で処理する。

(7) 売上諸掛り・両者負担・「立替金」とするケース

商品¥200,000を掛けで売上げ、引取運賃¥3,000は現金で支払った。なお、引取運賃は当店と取引先とで半分ずつ負担することになっており、取引先負担分は売掛金には含めない。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか?

固定資産の付随費用は費用処理するのでなく、取得原価に含める点がポイントでした。

仕入諸掛りは

当社が負担する場合は仕入に含めます。

仕入先が負担する場合は一旦立て替えただけで後で回収しますから立替金です。

売上諸掛りについては

当社が負担する場合は発送費です。

得意先が負担する場合は問題文や問題に設定されている勘定科目から判断し売掛金か立替金かを判断してください。

問題文をよく読むと指示やヒントがありますので、暗記するというよりも、問題文を読みながら慣れていった方が脳に負担がかからないかもしれません。

そういった理由から今回は問題文の様な形式で多めに設例を設けさせていただきました。

明日もう一回読んでいただき、来週もう一回読んでいただければかなり身に付くと思います。

 

よろしくお願いします!

 

 

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サポーター講師:藤井すすむ

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