簿記は言語!重要なコミュニケーションツール

みなさんこんにちは!

今日はケイタ君とハルちゃんの会話から始めます。

ではどうぞ。

 

良い会社・悪い会社

ケイタ「ねえねえ知ってる?あの会社、超ヤバいんだけど」

ハル「ブラック企業?」

ケイタ「の真逆、すごく良い会社でしょ」

ハル「良い方の『ヤバい』ね」

ケイタ「売上の増えっぷり、すごいよ」

ハル「ふ~ん。。。利益は?」

ケイタ「知らないけど、増えてるんじゃない?売上すごいし」

ハル「費用は?利益は?」

ケイタ「・・・そういうのは、、、よくわかんないけど・・・」

ハル「広告費つぎ込んでただ闇雲に売上伸ばしてるかもしれないじゃん」

ケイタ「・・・そういうことも、、、あるかもねぇ・・・」

(会話おわり)

 

というわけで、ケイタ君は会社のどこか一部だけの数値を見て「良い」とか「悪い」と評価しようとしたんですね。

やはり簿記の知識が無いと会社を正しく評価する基礎的知識が無いので、難しいですよね。

 

商品広告を穴の開くほど観たって、会社の本社ビルを眺めたって、良い会社かどうかなんて解りません。特に財務的な良し悪しは。。。

 

でも、財務的な良し悪しは会社の良し悪しですよね。

どんなに良い商品を作ったって、

どんなに良いサービスを提供していようとも、

どんなに良い社会貢献活動をしていたって、

継続的に利益を出せなければ、その良い活動を拡大することも継続することもできませんからね。

 

この財務的な良し悪しを伝える重要な資料は何でしょうか?

そう、私たちが学んでいる簿記で作る損益計算書や貸借対照表なのです。

 

実際の会社の損益計算書・貸借対照表を眺めてみよう

これまで簿記を勉強しているときには、一所懸命に仕訳を切って、試算表や損益計算書、貸借対照表を作成することに集中していますよね。

計算が合った!と思ったら次の練習問題に突入していますよね?

つまり、出来上がった損益計算書や貸借対照表を眺めて、その会社の状態を吟味するなんてことは普通しません。

これは財務分析という範疇に入るので、簿記の勉強では(少なくとも2級までは)しなくて良いですよ。

ただ、せっかく簿記を勉強しているんですから、簿記によって作られた損益計算書や貸借対照表の読者の気分を味わってみませんか?

それによって、なぜ自分が簿記をやっているのか、簿記がどういう風に使われるのか、より深く理解できるからです。

今日は以下のステップでやってみましょう。

 

●ステップ1

まず、ご自分の好きな会社を思い浮かべてください。

日本の上場企業が良いと思います。日本語の財務諸表がWebで観れるからです。

その会社のホームページから「投資家情報」とか「IR情報」とかの項目を探して「決算短信」とか「有価証券報告書」を探してください。

その中から損益計算書と貸借対照表を探します。

 

●ステップ2

そしたらそれらの数字を比べまくります。

例えば、

収益の大きさと費用の大きさの比率

資産の大きさと負債の大きさの比率

前期と当期の差(金額と%)

 

●ステップ3

もう一社、気になる会社の財務諸表を選び、その会社の財務諸表との差を比べまくってみます。

案外数字を見ても金額的実感が沸かず、理解が進まない場合もあると思います。

でも色々眺めて比べているうちに、それぞれの財務的な個性が違うことがじわじわとわかって来ます。

  • 総資産や総収入の大きさ
  • 負債が資産との見合いにおいて多いか少ないか
  • 費用が収益との比率で見て多いか少ないか
  • 前年や前々年との比較もしてみましょう。

こういうことが、経営者や投資家の人がやっている重要な分析の一つなのです。

 

たくさんの勘定科目が登場していても、まずは大項目からみていきましょう。

そして、少しずつ細かいレベルで眺めてみましょう。

わからない勘定科目についてはネット検索で調べてみたら良いと思います。

今はわかる範囲で良いですよ。無理する必要はありません。

雰囲気だけ味わえれば。

 

おわりに

この作業をやっていると、その会社の実態がちょっと見える気がしませんか?

広告や商品から受け取っていたイメージとは全然違う、いわばその会社の裸の姿が見えて来ます。

これはあなたが簿記を勉強していなかったら味わえなかった感覚です。

簿記をやったからこそ、その会社のことが伝わって来ました。

 

簿記は会社の状態を伝えるコミュニケーション手段です。

いわば、企業活動を伝える言語のようなものだと言えるでしょう。

 

 

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サポーター講師:藤井すすむ

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