簿記の流れを概観 4 ~手続全体を一巡

みなさんこんにちは!

 

前回の投稿(簿記一巡第3弾)では、緑川レコードショップの1月の取引を使って簿記の流れを一巡しました。

今回の第4弾では、引き続き緑川レコードショップの2月度の取引を見て行きましょう。

 

ステップバイステップ。

ちょっとずつ簿記を自分のものにして行きましょうね。

 

さて、1月末の貸借対照表・損益計算書は次の通りでした。

 

貸借対照表(単位:万円)

131

資産 負債・資本

現金

預金

繰越商品

前払家賃

敷金

120

100

30

40

50

借入金

 

 

資本金

当期利益

200

 

 

100

40

合計 340 合計 340

損益計算書(単位:万円)

1月1日〜131

費用 収益

売上原価

家賃

当期利益

60

20

40

売上

 

 

120

 

 

合計 120 合計 120

 

2月度では、新たに残高試算表と言われる簿記のツール(集計表)を使って行きましょう。

残高試算表が何かというと、、、

ここではとりあえず、貸借対照表科目と損益計算書科目を一つの表にまとめたもの、というくらいに理解しておいていただければ結構です。

 

残高試算表(単位:万円)

資産

費用

勘定科目

資本

収益

120 現金  
100 預金  
30 繰越商品  
40 前払家賃  
50 敷金  
  借入金 200
  資本金 100
  売上 120
60 売上原価  
20 家賃  
     
420 合計 420

 

131日時点の試算表は上記のようになります。

ポイントは左右の合計額が一致している事です。

 

ではここから2月の取引を始めます。

まず最初に、1月末の決算整理繰り延べた繰越商品を仕入勘定に戻します。

 

仕訳

仕入 30万円 / 繰越商品 30万円

 

また、前払分として1月の損益計算書から貸借対照表に振り替えた前払家賃を一旦経費科目家賃勘定に戻します。

 

仕訳

家賃 40万円 / 前払家賃 40万円

 

これら二つの仕訳を反映した試算表は次のようになります。

 

残高試算表(単位:万円)

資産

費用

勘定科目

資本

収益

120 現金  
100 預金  
0 繰越商品  
0 前払家賃  
50 敷金  
  借入金 200
  資本金 100
  売上 120
30 仕入  
60 売上原価  
60 家賃  
     
420 合計 420

 

2月は以下の取引を行います。

1、レコードを仕入れる

2、広告費を払う

3、レコードを売る

さて、それでは、ひとつひとつ見て行きましょう。

 

24

レコードを70万円分現金で仕入れた。

 

仕訳

仕入 70万円 / 現金 70万円

 

25

広告費を40万円現金で支払った。

 

仕訳

広告費 40万円 / 現金 40万円

 

2月6日

前月から繰り越したレコード(30万円)と当月仕入れたレコード(70万円)の半分(50万円相当)を100万円で売り上げた。

 

仕訳

現金 100万円 / 売上 100万円

 

この時点の試算表はこうなります。

 

残高試算表(単位:万円)

資産

費用

勘定科目

資本

収益

110 現金  
100 預金  
0 繰越商品  
0 前払家賃  
50 敷金  
  借入金 200
  資本金 100
  売上 220
100 仕入  
60 売上原価  
60 家賃  
40 広告費  
520 合計 520

 

228日、月末になりました。

月次決算を行います。

ここからは決算整理です。

 

決算整理1

売れた商品を売上原価に振り替え、売れ残った商品50万円を繰越商品に振り替えます。

 

仕訳

繰越商品 50万円 / 仕入 100万円

売上原価 50万円 /

 

決算整理2

1月に3ヶ月分払った家賃(60万円)の内、翌月の1ヶ月分(20万円)を前払家賃として貸借対照表に置いておきます。

 

仕訳

前払家賃 20万円 / 家賃 20万円

 

これらを反映した試算表はこうなります。

残高試算表(単位:万円)

資産

費用

勘定科目

資本

収益

110 現金  
100 預金  
50 繰越商品  
20 前払家賃  
50 敷金  
  借入金 200
  資本金 100
  売上 220
0 仕入  
110 売上原価  
40 家賃  
40 広告費  
520 合計 520

 

この試算表の各科目と金額を貸借対照表と損益計算書に書き写します。

なお、各表の左右の差額が当期利益です。

 

貸借対照表(単位:万円)

228

資産 負債・資本

現金

預金

繰越商品

前払家賃

敷金

110

100

50

20

50

借入金

 

 

資本金

当期利益

200

 

 

100

30

合計 330 合計 330

損益計算書(単位:万円)

1月1日〜228

費用 収益

売上原価

家賃

広告費

当期利益

110

40

40

30

売上

 

 

 

220

 

 

 

合計 220 合計 220

 

はい、2月までの簿記一巡は完了です。

如何でしたでしょうか?

出来上がったものを少し引いた目で眺めてみましょう。

1月より利益は減ってしまいましたね。

 

何が原因でしょうか?

 

広告費を40万円支払い、それを全て2月の費用としたことが効いていますね。

 

この広告費が3月以降に確実に効果を発揮するのであれば「前払広告費」として2月の費用から差し引き、貸借対照表に置いて繰り延べる事も出来ますが、効果の発現が不確実なので全額2月の費用としました。

 

どうでしょう?だいぶ進歩していますよ^^

 

繰越商品や前払費用として次期以降に費用を持ち越す処理に慣れていただけましたか?

 

ここ、大事な所です。

 

また、仕入勘定を月末に売上原価として表記する処理にも慣れて行きましょう。

 

今回の投稿は繰り返し読んで、慣れていただければと思います。

もしわからない事がありましたら是非コメントまたはメールくださいね。

 

今後の勉強をグッと楽にするために、今回の投稿をしっかり読んでおきましょう。

よろしくお願いします!!!

 

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サポーター講師:藤井すすむ

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