簿記資格って必要なの?実務と勉強はちがう?!

就職、転職につぶしがきく資格、「簿記」を勉強してみたい!と考えている方は多いでしょう。

確かに簿記知識は、管理部門だけでなく、営業も、企画にもすべての部署の人に役立つ知識です。

そして簿記3級というのは、決算までがその内容です。

経理事務の募集要項に、「決算までできる方」というのを見たことありますよね。

これって簿記3級の内容は理解できている人ってことになります。

 

1.簿記3級の資格は仕事には必要か?という素朴な疑問

経理の仕事に就こうと思ったら、やっぱり最低ライン3級は必要です。

これは言い切れます。

なぜなら、経理で採用するなら、決算までできる知識は欲しいのです。

そして決算まで取り組んだことのある経験も必要!!です。

会社の人事部が欲しがる経理事務社員像というのは、中途採用なら「実務経験有」これ一択です。

そして新卒なら、やっぱり経験がない分、ある程度の知識は身に着けおいてほしいところなので、簿記3級とか持っておくと、好感度アップします。

新卒の志望理由に関しても

「私は、子供のころからお小遣い帳をつけるのが好きで、少ないお小遣いでもコツコツ貯めるタイプでした。このお金の流れが知りたい、そしてどうすれば、もっと金を貯めることができるんだろうと疑問に思って経理の勉強を始めました。大学2回生の頃から独学で、3級を受けて合格しました。そしてもっと知りたくて、今度は、簿記専門学校に通って2級、1級を目指しています。この身に着けた知識を、御社で活かしたいと思っております」

金融系の一般職などの採用担当者は、このような志望動機は大好物です。

あらぁ、そうなの?!と前のめりで聞いてくれるでしょう。

 

2.実務と勉強は違うのか?

はいはい、きましたよ。この悩み!

簿記の勉強を始めると、特に仕事をしながら簿記資格を目指すと、

「勉強と仕事の内容と、全然違うじゃん!?」と壁にぶち当たることがあるんですな。

 

一昔前の経理なら、伝票関係など手書きでした。

出金票、入金票、振替伝票を起こして、補助元帳、現金出納帳に転記する、総勘定元帳にも転記して、日計表を作る試算表を作って、損益計算書、貸借対照表も作ってそして決算書をつくる。内訳書なんかも手書き。この帳簿に転記するという作業状態から、「簿記」と名付けられたのです。

でも、今は、どうでしょう。最近の会計ソフトと言われるものは、領収証、通帳があれば入力できます。通帳の印字をそのまま入力していけば、振替伝票は自動作成、元帳に関しても総勘定元帳、補助元帳、現金出納帳、日計表、試算表、損益計算書、貸借対照表など自動的に作成できますね。

入力すれば決算までできちゃうのが、現代の会計ソフトです。

 

じゃあ、簿記の勉強って必要なくない?!と思ってしまいますが、それもちょっと待っていただきたいのです。

 

3.実務と勉強は違う、でもどっちも必要という事実

この表題の説明をするのに、まず申し上げたいことがあります。

「人ってミスをしてしまう生き物なのです」

現金残高と普通残高が入力したデータの残高と合致していても、決算仕訳をしたときに勘定科目が違ったりすることがあります。月末〆の時になって、収支が合わないなんてときも。

それって、見直していけば、数字の入力ミスだったり、仕訳が違ったりなんですけど、いちいち膨大な入力データを確認することになります。

これって、振替伝票だけでも手書きで作っておけば、一仕訳(いちしわけ)に対して、貸方借方の合計をしておけますから、入力時にも合計が合っているかどうかチェックできます。

 

面倒くさっ!?と思われるかもしれませんが、月次でミスチェックができて、決算をスムースに終えることができます。決算でもノー残業。働き方改革です。

 

コマメな経理マン・経理ウーマンなら、一週間ごとに週計も作っている方もいます。

毎日、毎週、集計しているんです。もちろん金種票も作っています。

 

面倒かなって思うけど、もう、ルーティンワークにしてしまえば、そんなに面倒でもないし、自分を守ることにもなります。

 

経理ってお金を扱う部署ですから、信用第一です。

やっぱりきっちりしているなぁと一目置かれる経理ウーマン・経理マンになっていただきたいと思います。

 

4.まとめ

《簿記・経理の知識をつけることは必要です》

経理ウーマン・経理マンにとって、簿記資格は働くためのツールです。

経理の仕事って、ちょっと職人気質なところがあります。

大工さんで例えるなら、簿記資格はカンナのようなもの。カンナは必要です。

でも、カンナを使いこなせる技術はもっと必要なのです。

その技術とは場数を踏むこと、すなわち経験と鍛錬です。

 

経理事務も同じです。知識ばかりでは頭でっかちになってしまうけど、知識があればどうすればミスがなく、仕事が早く終わるかいうイメージがわいてきます。

 

そして、転職時などに、どこまで経理事務という仕事を理解しているかということの尺度(しゃくど)にもなるわけです。

 

いくら経理経験が10年ありますと言っても、会社によって経理のやり方は違います。

しかし、公的な資格である「日本商工会議所及び各地商工会議所主催簿記検定試験」(正式名称)に合格しているならば、経理に対する全国共通の知識は持っていることがわかります。

 

まず、3級試験を合格してから、実務経験を積んでいきながら上級の資格を目指していくというのが、経理ウーマン・経理マンとしてのキャリアを着実に積み上げる最良の方法かと思います。

 

 

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サポーター講師:藤井すすむ

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