みなさんこんにちは。
如何でしょうか?今日のトピック。
結構苦手意識をお持ちの方も多いのでは無いでしょうか?
例えば簿記3級の第1問でこんな問題ありますよね?
A商店から商品10万円を仕入れ、代金のうち7万円はB社振出しの約束手形を裏書譲渡し、残額は小切手を振り出して支払った。
仕訳(単位:万円)
仕入
|
10
|
受取手形 当座預金 |
7 3 |
あるいはこんな問題もあります。
A商店から商品10万円を仕入れ、代金のうち7万円はB社振出し、当店受取りの約束手形を裏書譲渡し、残額はA商店を名宛人とする約束手形を振り出して支払った。
仕訳(単位:万円)
仕入
|
10
|
受取手形 支払手形 |
7 3 |
慣れないと結構ややこしくないですか???
いろんな用語が出てきますからね。
「手形」「振出」「裏書」「名宛人」などなど。。。
仕入の相手勘定として、それぞれ何の勘定を使えば良いのかが解りにくいと思います。受取手形勘定なのか、支払手形勘定なのか、当座預金勘定なのか?ということです。今日はそんなお悩みにお答えして行きたいと思います。
説明の進め方ですが、
まずは、こう覚えておいていただきたい、という結論だけ先にお伝えしちゃいますね。
そのあと、細かい事を噛み砕いてご説明させていただきます。
ではまずは、いきなり結論いきます。
1. 小切手振出し当座預金
2. 約手(約束手形)の振出し支払手形
3. 受手(受取手形)の裏書き受取手形
なんとなく語呂を合わせてみましたので
是非声に出して何回か唱えてみて下さい。
この3つをおさえるとかなり楽になります。
まず、1番め。
1. 小切手振出し当座預金
(こぎってふりだし とうざよきん)
当店が小切手を振り出すと、その小切手をもらった人は銀行に行きお金を受け取ります。そのお金は当店の当座預金から引き去られますので、小切手を振出すということは当座預金の減少を意味することになるのです。したがって、仕入れの反対勘定として右側は当座預金勘定になります。
次に、2番め。
2. 約手(約束手形)の振出し支払手形
(やくてのふりだし しはらいてがた)
当店が振出した手形は支払手形です。なので、仕入の反対勘定は支払手形となります。
名宛人っていうのは約束手形の場合お金の受取人になります。
最後に、3番め。
3. 受手(受取手形)の裏書き受取手形
(うけてのうらがき うけとりてがた)
当店受取りの約束手形は受取手形です。それを裏書きして他店を受取人にした場合、当店の受取手形が減少しますので、仕入の反対勘定として右側に受取手形が来ます。
では、ここから先は小切手と約束手形についてもう少し詳しくお話ししますね。
まず、小切手です。
小切手は、銀行に対して、この小切手に書かれた金額をこの小切手と引き換えに持参人へお支払いください、という事を委託するものです。下の図をご覧ください。
<小切手イメージ>
この結果、この小切手の持参人は振出日の翌日から10日以内に銀行に持参し、その金額は振出人の当座預金から支払われます。よって小切手の振出は当座預金の減少として記帳するのです。
次に、約束手形です。
約束手形は名宛人に対して振出されます。
その内容は
「上記金額をあなた(名宛人)またはあなたの指図人へこの約束手形と引替えにお支払いいたします」
というものです。
従って、この内容からして、
約束手形の名宛人はお金の受取人です。
<約束手形イメージ>
最後に、約束手形の裏書です。
約束手形の名宛人は手形の裏書きによってお金の受取人を変えることができます。
手形の裏面の図をご覧ください。
<約束手形裏面イメージ>
名宛人(最初にお金の受取人だった人)は手形の裏面に署名捺印することによって、被裏書人(新たな受取人)を指定することが出来るのです。
「表記金額を下記被裏書人またはその指図人へお支払い下さい」
というメッセージが書かれていますよね。
さあ如何でしょうか?
小切手と手形のイメージが掴めましたか?
それぞれの券面に書かれたメッセージを読むと、少し意味合いが解ってくると思います。
ちなみにですが、小切手と約束手形、どちらを振出しても仕入ができるわけですが、両者をどう使い分けるんでしょうね?
小切手が受け取り直後に現金化できるのに対し、約束手形は記載された期日後(振出日から2~3ヶ月後)でないと原則として現金化出来ない点です。できるだけ支払いを先送りしたい場合は約束手形を選ぶことになります。
という事で、もう一度結論を見てみます。
1. 小切手振出し当座預金
小切手を振出すとすぐに当座預金から支払われることに同意してますので、当座預金の減少と認識します。
2. 約手(約束手形)の振出し支払手形
約束手形の振出しは2~3ヶ月後に支払うという義務を追うことになりますので負債の増加です。
3. 受手(受取手形)の裏書き受取手形
受取手形の裏書きは、受取手形という債権(資産)を裏書によって他の人に譲ることになるので、資産の減少です。
ではもう一度、冒頭で挙げた問題例を再掲します。
上記の説明を読んだ後なら少しは解きやすくなったのではないでしょうか?
A商店から商品10万円を仕入れ、代金のうち7万円はB社振出しの約束手形を裏書譲渡し、残額は小切手を振り出して支払った。
これは、
3. 受手(受取手形)の裏書き受取手形
と
1. 小切手振出し当座預金
の組み合わせですから、下記の仕訳になります。
仕訳(単位:万円)
仕入
|
10
|
受取手形 当座預金 |
7 3 |
もう一つの問題ももう一度見てみましょう。
A商店から商品10万円を仕入れ、代金のうち7万円はB社振出し、当店受取りの約束手形を裏書譲渡し、残額はA商店を名宛人とする約束手形を振り出して支払った。
この場合は、
3. 受手(受取手形)の裏書き受取手形
と
2. 約手(約束手形)の振出し支払手形
の組み合わせですから、仕訳は次の様になります。
仕訳(単位:万円)
仕入
|
10
|
受取手形 支払手形 |
7 3 |
如何でしょうか?
少しはモヤモヤが晴れましたでしょうか?
こんど、別の投稿で為替手形についてもご説明しますね。
では今回はこの辺で!
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