みなさんこんにちは!

 

今日は前回に続いて減価償却について見ていきましょう。

 

前回の投稿「減価償却(その1)~もしも減価償却が無かったら?」では、トラックの耐用年数を3年とし、3年後の残存価額をゼロとして毎年一定額を費用しました。

 

今日は(1)年度の途中で固定資産(車両)を購入した場合の減価償却費の計算と仕訳、また(2)年度の途中で固定資産を売却した場合の減価償却費の計算と仕訳についてご説明します。

 

(1)固定資産の期中購入

では、期中に資産を購入した場合、減価償却費はどの様に計算されるでしょうか?

 

耐用期間に渡り、時の経過と共に資産を費消すると考えれば、当年度の減価償却費は使用した期間の分だけ計上することになります。

 

例えば、耐用期間が36ヶ月で、今年度は3ヶ月だけ使用した場合、購入価額 x 3ヶ月 / 36ヶ月 が当年度の減価償却費となります。

(残存価額はゼロとし、定額法、月割計上とし、1ヶ月未満の端数は切り上げによるものとします。)

 

【例題1】

当社の会計期間は11日から1231とします。

X1年度の10に運搬用トラックを180万円で購入し、事業のために使いはじめた。

X11231、決算にあたり減価償却費を計上します。

なお、減価償却費の計算にあたり、耐用年数は3、残存価額はゼロとし、定額法、月割計上とし、1ヶ月未満の端数は切り上げによるものとします。

 

この場合、計算は次のようになります。

 

180万円 x 3ヶ月 / 36ヶ月 = 15万円

 

これを仕訳にするとこうなります。

 

 

 

(2)固定資産の期中売却

では次に、固定資産を売却した際の会計処理について見ていきましょう。

 

【例題1】X1年度に購入したトラックをX2年度の10月末100万円(現金)で売却したとします。

 

このとき、仕訳はどの様になるでしょうか?

 

大枠としては、受け取った金額から払い出した資産の帳簿価額を差し引いて、差額は固定資産売却損益になりますよね。

一旦、仮の仕訳を以下の様に表記してみます。

ここで問題となるのは、売却時点の車両帳簿価額が幾らで、それを仕訳としてどう書き表すかです。

 

まず、X2年度期首の帳簿価額購入価額180万円からX1年度の減価償却累計額15万円を引いたものです。さらにここからX2年度の1月から10月末までの減価償却費を指し引けばX2年度10月末時点の車両帳簿価額になります。

 

ではX2年度(10ヶ月分)の減価償却費を計算してみましょう。【例題1】と同じく月割りで計算します。

 

180万円 x 10ヶ月 / 36ヶ月 = 50万円

 

そうすると、X2年度10月末時点の車両帳簿価額

 

180万円 – 15万円 – 50万円 = 115万円

 

となります。

 

一旦、上記の仮仕訳??に数字を入れてみましょう

売却損益は

100万円 – 115万円 = – 15万円

となります。

つまり売却ですので借方(左側)に計上されます。

 

ここまで宜しいでしょうか?

 

では次に仕訳の書き方です。

 

上記の仮仕訳の貸方(右側)にある[売却時点の車両帳簿価額115万円を正しい仕訳の形にするとこうなります。

ネット(相殺後の純額)で115万円という金額が帳簿上存在するわけではなく、車両のグロス金額(購入総額)180万円から前期末までの減価償却累計額15万円を差し引き、更に当期(10ヶ月分)の減価償却費50万円を差し引くことで115万円になるのです。

 

では、これを使って仮仕訳を正しい仕訳に直します。

登場する勘定科目の数が多くて戸惑いますよね??

 

でも、ちょっと多めに時間をかけていただき、じっくり眺めていただけたら慣れてくると思います。

 

ポイントは、繰り返しになりますが、

売却時点の車両帳簿価額 = 取得価額 – 期首減価償却累計額 – 当期の減価償却費

という点です。

 

是非この機会にマスターしていただけたらと思います。

 

それでは今日はこの辺で。

 

関連項目

固定資産取得に要する付随費用

減価償却(その1)〜もしも減価償却が無かったら?

 

 

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サポーター講師:藤井すすむ

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